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Article #601

Re: iru vs. aru (Re: $B?M>NBeL>;l(B )

#601
From: Sakaguchi Fuminori
Date: Sat, 16 Jan 1999 00:00
58 lines
4060 bytes

ちょっと浦島ですが...
#超ローカルな話題なので、fj.life.hometownに引っ越します。

From article <76b7mk$24s$7@nw042.infoweb.ne.jp>
  by Hidehiro Nakauchi <natrium@mb.infoweb.ne.jp>
> 言葉だけなら、三重県中部(津・松阪・伊勢あたり)のほうが関西ですね。
> 京の都から伊勢神宮までの参宮街道周辺は関西だという話もあるが...

懐かしい生まれ故郷の話題が出たので、ちょっとコメントします。
#それと、2つの文化圏のハイブリッド地帯の好例になっていると
  思いますので。

まず、国語学的には、あのへんの方言は近畿方言に属します。
滋賀県南部や奈良県北部の方言に非常に似ています。アクセントは
ほとんど京都式ですが、京都弁のアクセントとは少しだけ異なる点が
あります(例えば、多音節の上一段活用動詞など)。語彙や動詞の活用
語尾や助動詞や終助詞は標準的な関西弁とはかなり(というか相当)
異なっていますが、アクセントやイントネーションが関西弁とほとんど
同じなので、たいていの人の耳には確実に関西弁に聞こえるようです。
#なお、同じ三重県でも、西部の伊賀地区になると、完全な関西弁になり、
  特に上野市付近の方言は、京都弁とほとんど差がありません。
  (それから、三重県でも南部の熊野灘沿岸にいくと、関西弁とは
   大幅に異なる独特の方言になります)

もっとも、最近はテレビの影響(注:三重県北中部では名古屋から
電波が来る)や、(特に四日市以北では)名古屋圏のベッドタウン化の
影響で、ちょっと変てこな名古屋式や東京式のアクセントが混じる
若者も増えてきました(嘆かわしいことです)。  皮肉なことに、
むしろ山間部や農村部のほうが、関西弁の特徴を忠実に残しています。

で、この歴史的背景について簡単に触れておきますと、明治になるまで
三重県と愛知県の間には大きな川や湿地帯が広がっていて、
交通があまり便利ではなく、ほとんど交流がありませんでした。
ちなみに、東海道五十三次でも、宮(名古屋市)と桑名(三重県)の間は
「渡し船」になっています。したがって、その当時は、三重県中部には
京都から逢坂の関と鈴鹿の関を経由して文化が流入していたのです。
言葉だけでなく、冠婚葬祭の風習から料理の味付けに至るまで、
そうでした。現在でも、例えば伝統芸能の師弟関係などは、
名古屋支部ではなく京都支部の系列に属していることが多いようです。

で、明治になって鉄道や道路ができて名古屋と直結し、次第に
名古屋経済圏に含まれるようになっていきます。特に戦後は
それが顕著になり、現在に至っています。そこで、文化的な
コンフリクト(^^)が起こります。大袈裟に言えば、アイデンティティの
問題、つまり、自分たちは関西人なのか東海人なのか、という
問題になります(実は、どちらにも入れてもらえないという悲哀 ^^;;)。
また、大都市圏の文化として2種類の標準が併存(明治大正時代は
京都と名古屋の対、昭和になってこれが大阪と名古屋の対に
なります)し、どちらに合わせるのが都会的・標準的と考えるかが
(地元の人でも)人によってまちまち、という状況になっています。
このため、いろいろ面白い(^^)ことが起こっています。

#以上、見苦しい田舎自慢で失礼しました。^^;;;;
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                                                          坂口
          
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Subject: Re: iru vs. aru (Re: $B?M>NBeL>;l(B )
Date: 1999/01/16
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