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14 total messages Started by 池田 尚隆 Wed, 23 Oct 2002 08:04
所有を禁じる法律
#147
Author: 池田 尚隆
Date: Wed, 23 Oct 2002 08:04
37 lines
2713 bytes
児童ポルノ法がらみでいろいろ調べていたときに疑問に思ったことがありま
す。私は当初「所持」が禁止されると思っていたのですが、どうやら条文では
「販売目的の所持」が禁止されているようです。まあこれでも絵画とかが含ま
れると表現の自由との衝突が考えられるわけですがこれはとりあえず置いてお
きます。


ここでは、なんらかの新法が成立し、ある種のものの「所持」が禁止される状
況を仮定します。ある種のものというと話は長くなるのでこれを「P」としま
す。

さて、このPを持っているとどういうことになるのでしょうか。
1.新法が成立し、施行されるまでにPを破棄せねばならない。
2.不遡及の原則から、施行されるまでに所持したものを破棄する必要はない。
3.そもそもそんな法律は実施が不可能であり法として成立し得ない。

1.だと個人の財産権と衝突することになります。まあ、政府が買い上げるのな
ら何とかなるかもしれませんが。

2.だと、いつ入手したのかが不明なため、実質的にザル法になってしまいま
す。結果的には、「販売目的の所持」を禁止するのと変わらなくなります。

3.今までの法律にこのようなものがあったかというと、麻薬取締法とかはこの
ようなものの典型ではないかと思います。


近年類似の法律としてコピー解除のための装置を禁止する著作権法の改正があ
りました。が、これは販売目的の所持が(平たく言えば販売が)禁じられたも
のであって、それまでに入手されたものについては特に問題なく使用できま
す。

頭に浮かぶのは覚醒剤取締法です。戦後すぐの頃はヒロポンという商品名で
かなり多くの量の覚醒剤が流通していたはずです。この法律が施行された前後
についてはよくわかりません。

-- 
池田 尚隆(Yoshitaka Ikeda) mailto:ikeda@4bn.ne.jp
Re: 所有を禁じる法律
#149
Author: SASAKI Masato
Date: Wed, 23 Oct 2002 13:54
56 lines
3213 bytes
佐々木将人@函館 です。

>From:Yoshitaka Ikeda
>Date:2002/10/23 17:04:24 JST
>Message-ID:<ap5l06$lbb$1@news2.bekkoame.ne.jp>
>
>ここでは、なんらかの新法が成立し、ある種のものの「所持」が禁止される状
>況を仮定します。ある種のものというと話は長くなるのでこれを「P」としま
>す。
>
>さて、このPを持っているとどういうことになるのでしょうか。
>1.新法が成立し、施行されるまでにPを破棄せねばならない。

ということになるでしょう。
特に経過措置(何年何月までに取得したものを除くとする等)がない限りは。

当然

>1.だと個人の財産権と衝突することになります。

という御指摘のとおり憲法29条との衝突の問題にはなるとは思いますが

>まあ、政府が買い上げるのなら何とかなるかもしれませんが。

買い上げを一切しなくとも問題にならないと思います。
というのは
「ある物について所有権を主張することが許されるのか」
というチェックをして許されないとなれば
その所持を禁止し、結果的に廃棄を余儀なくされたとしても
憲法29条1項の財産権ではないから
それを侵害することもないし
3項にもあたらないとなるからです。

最近だとある種の薬物について所持自体禁止されましたが
別に買い上げなどは行われていませんし
これから訴訟を起こしてもたぶんだめでしょう。

もっともこれは「所持の禁止」が正当化される場合であって
正当化されない場合には最低29条3項による補償が必要になると思います。

>頭に浮かぶのは覚醒剤取締法です。戦後すぐの頃はヒロポンという商品名で
>かなり多くの量の覚醒剤が流通していたはずです。この法律が施行された前後
>についてはよくわかりません。

覚せい剤所持の事案において
「その覚せい剤が法施行後の入手である」ことの立証は
現実には行われていません。
おそらく法施行によって廃棄を余儀なくされた例と考えていいと思います。

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Talk lisp at Tea room Lisp.gc .
cal@ams.odn.ne.jp  佐々木将人
(This address is for NetNews.)
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「ふう……秋休みもいつかは終わってしまうのね……。」
とルフィミアに言われてちょっとどきどき……。
Re: $B=jM-$r6X$8$kK!N'(B
#148
Author: Sen''nin Iio
Date: Wed, 23 Oct 2002 13:56
21 lines
1636 bytes
$BHSHx$H?=$7$^$9!#(B

<ap5l06$lbb$1@news2.bekkoame.ne.jp>$B$N5-;v$K$*$$$F(B
ikeda@4bn.ne.jp$B$5$s$O=q$-$^$7$?!#(B

>> 1.$B?7K!$,@.N)$7!";\9T$5$l$k$^$G$K#P$rGK4~$;$M$P$J$i$J$$!#(B

$BEvA3$3$l$G$9!#(B

>> 3.$B$=$b$=$b$=$s$JK!N'$O<B;\$,IT2DG=$G$"$jK!$H$7$F@.N)$7F@$J$$!#(B

$B$=$s$J$3$H$O$"$j$^$;$s$,!"@.N)$O:$Fq$G$"$k!"$H$$$&$N$,8=<B$G$"$j!"(B
$B$^$!9%$^$7$$$H$$$&$+BE6(E@$H$$$&$+!"$J$H$3$m$@$H8D?ME*$K$O;W$C$F$^$9!#(B

>> 1.$B$@$H8D?M$N:b;:8"$H>WFM$9$k$3$H$K$J$j$^$9!#$^$"!"@/I\$,Gc$$>e$2$k$N$J(B
>> $B$i2?$H$+$J$k$+$b$7$l$^$;$s$,!#(B

$B;dK!>e$N:b;:8"$H8x=xNIB/$H$N7s$M9g$$$K$J$j$^$9$,!"I,$:$7$b:b;:8"$r(B
$BM%@h$5$;$kI,MW$,L5$$$3$H$O$4B8CN$@$H;W$$$^$9!#(B
-- 
sen_nin@st.rim.or.jp
Re: 所有を禁じる法律
#150
Author: SASAKI Masato
Date: Wed, 23 Oct 2002 14:09
34 lines
2480 bytes
佐々木将人@函館 です。

>From:Sen''nin Iio
>Date:2002/10/23 13:56:02 JST
>Message-ID:<ap69pi$2avp$1@news2.rim.or.jp>
>
>>> 3.そもそもそんな法律は実施が不可能であり法として成立し得ない。
>
>そんなことはありませんが、成立は困難である、というのが現実であり、

薬物規制に関してはばんばん出ていますよ。
「そんなものの所持の自由なんかないんだ」って物品には
所有権保障規定との抵触は全然心配ないですもん。

わいせつ物の規制だと
所持自体が法益侵害であると評価できるかどうかはきわめて疑問で
例えば自分の配偶者の写真をポラロイドでとって2人で使用して楽しむ分には
処罰の必要性は全くないと言っていい訳ですよね。
この点で薬物と同様に解していいものか。
だけどこれを世間に流す(販売等)となるとちょっと待てよと。
児童ポルノの処罰で販売目的の所持を処罰している点については未確認ですが
もしこれが事実なら
わいせつ物の処罰と平仄を合わせているという可能性はあるでしょう。

……もっともその作成過程を鑑みれば
  所持自体処罰しちゃってもいいかなあという選択肢もありますが。

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cal@ams.odn.ne.jp  佐々木将人
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Re: $B=jM-$r6X$8$kK!N'(B
#151
Author: Sen''nin Iio
Date: Wed, 23 Oct 2002 14:40
38 lines
2599 bytes
$BHSHx$G$9!#(B

<20021023230924cal@ams.odn.ne.jp>$B$N5-;v$K$*$$$F(B
cal@ams.odn.ne.jp$B$5$s$O=q$-$^$7$?!#(B

>> >From:Sen''nin Iio
>> >Date:2002/10/23 13:56:02 JST
>> >Message-ID:<ap69pi$2avp$1@news2.rim.or.jp>
>> >
>> >>> 3.$B$=$b$=$b$=$s$JK!N'$O<B;\$,IT2DG=$G$"$jK!$H$7$F@.N)$7F@$J$$!#(B
>> >
>> >$B$=$s$J$3$H$O$"$j$^$;$s$,!"@.N)$O:$Fq$G$"$k!"$H$$$&$N$,8=<B$G$"$j!"(B
>> 
>> $BLtJ*5,@)$K4X$7$F$O$P$s$P$s=P$F$$$^$9$h!#(B
>> $B!V$=$s$J$b$N$N=j;}$N<+M3$J$s$+$J$$$s$@!W$C$FJ*IJ$K$O(B
>> $B=jM-8"J]>c5,Dj$H$NDq?($OA4A3?4G[$J$$$G$9$b$s!#(B
>> 
>> $B$o$$$;$DJ*$N5,@)$@$H(B
>> $B=j;}<+BN$,K!1W?/32$G$"$k$HI>2A$G$-$k$+$I$&$+$O$-$o$a$F5?Ld$G(B
>> $BNc$($P<+J,$NG[6v<T$N<L??$r%]%i%m%$%I$G$H$C$F#2?M$G;HMQ$7$F3Z$7$`J,$K$O(B
>> $B=hH3$NI,MW@-$OA4$/$J$$$H8@$C$F$$$$Lu$G$9$h$M!#(B

$B$*$C$7$c$k$H$*$j!"Ev;v<T0J30$X$ND>@\E*$J1F6AEY$r%b%N$K$h$j4*0F$7$F$$$k$N$@$H(B
$B;d$O>!<j$K9M$($F$$$^$9!#LtJ*$N>l9g!"=j;}$NM}M3$H$7$FK\?M$,MxMQ$9$k$h$j$b(B
$BE>GdL\E*$N$[$&$,B?$=$&$G$9$7!"7r9/Ho32$,9-$,$k!"$H$$$&8x1W$b$"$j$^$9!#(B
# $B7]G=?M$J$I8+$;$7$a$C$]$$E&H/$O=|$-$^$9$,(B

>> $B;yF8%]%k%N$N=hH3$GHNGdL\E*$N=j;}$r=hH3$7$F$$$kE@$K$D$$$F$OL$3NG'$G$9$,(B
>> $B$b$7$3$l$,;v<B$J$i(B
>> $B$o$$$;$DJ*$N=hH3$HJ?P<$r9g$o$;$F$$$k$H$$$&2DG=@-$O$"$k$G$7$g$&!#(B
>> 
>> $B!D!D$b$C$H$b$=$N:n@.2aDx$r4U$_$l$P(B
>> $B!!!!=j;}<+BN=hH3$7$A$c$C$F$b$$$$$+$J$"$H$$$&A*Br;h$b$"$j$^$9$,!#(B

$B$^$@HyL/$+$J!"$H$$$&$N$,;d$N463P$G$9!#8D?ME*$K3Z$7$`(B(?)$B$H$$$&LL$r(B
$B9MN8$7$F!"8=;~E@$G$O8D?M$N8"Mx$,M%@h$5$l$F$$$k$h$&$K;W$$$^$9!#(B
-- 
sen_nin@st.rim.or.jp
Re: $B=jM-$r6X$8$kK!N'(B
#152
Author: Sen''nin Iio
Date: Wed, 23 Oct 2002 14:44
16 lines
1580 bytes
$BHSHx$G$9!#$A$g$C$HJdB-!#(B

<ap6ccp$2bi8$4@news2.rim.or.jp>$B$N5-;v$K$*$$$F(B
$B;d$O=q$-$^$7$?!#(B

>> <20021023230924cal@ams.odn.ne.jp>$B$N5-;v$K$*$$$F(B
>> cal@ams.odn.ne.jp$B$5$s$O=q$-$^$7$?!#(B
>> 
>> $B$^$@HyL/$+$J!"$H$$$&$N$,;d$N463P$G$9!#8D?ME*$K3Z$7$`(B(?)$B$H$$$&LL$r(B
>> $B9MN8$7$F!"8=;~E@$G$O8D?M$N8"Mx$,M%@h$5$l$F$$$k$h$&$K;W$$$^$9!#(B

$B$b$A$m$s!";yF8%]%k%N$G8BDj$9$k$N$G$"$l$P!"?75,$K;#1F$9$k$N$O$b$A$m$s!"(B
$B2a5n$K?F8"<TF10U$N2<$K;#1F$5$l$?2hA|$G$"$m$&$H$b!"K\?M$NDIG'$J$j$,$J$1$l$P(B
$BBgLdBj$@$H;W$$$^$9!#(B
-- 
sen_nin@st.rim.or.jp
Re: 所有を禁じる法律
#153
Author: SASAKI Masato
Date: Wed, 23 Oct 2002 14:51
22 lines
1970 bytes
佐々木将人@函館 です。

>From:Sen''nin Iio
>Date:2002/10/23 14:44:18 JST
>Message-ID:<ap6ck2$2bi8$5@news2.rim.or.jp>
>
>もちろん、児童ポルノで限定するのであれば、新規に撮影するのはもちろん、
>過去に親権者同意の下に撮影された画像であろうとも、本人の追認なりがなければ
>大問題だと思います。

そう!
この点があるしこの点こそが児童ポルノの問題点なんで
そうなると一般的なわいせつ物と同列に考えていいのか?
って問題点はあると思ったのでした。

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cal@ams.odn.ne.jp  佐々木将人
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とルフィミアに言われてちょっとどきどき……。
Re: 所有を禁じる法律
#154
Author: 池田 尚隆
Date: Thu, 24 Oct 2002 00:28
37 lines
2601 bytes
Sen''nin Iioさんの<ap69pi$2avp$1@news2.rim.or.jp>から
>飯尾と申します。
>
><ap5l06$lbb$1@news2.bekkoame.ne.jp>の記事において
>ikeda@4bn.ne.jpさんは書きました。
>
>>> 1.新法が成立し、施行されるまでにPを破棄せねばならない。
>
>当然これです。

なるほど。確かにこれが当たり前といえば当たり前です。
ただ、薬物等ではよくある法律ですが、薬物の場合は該当する物質が明記され
ているわけです。

それに対して、「わいせつ物」といったあいまいなものであったり、
所有物がPであるかどうか判定しづらいものがあったりするような気がしま
す。

>>> 3.そもそもそんな法律は実施が不可能であり法として成立し得ない。
>
>そんなことはありませんが、成立は困難である、というのが現実であり、
>まぁ好ましいというか妥協点というか、なところだと個人的には思ってます。

Pの定義にもよりますよね。拡大解釈が可能な条文だと、身を守るのにかなり
苦労するかもしれません。

>>> 1.だと個人の財産権と衝突することになります。まあ、政府が買い上げるのな
>>> ら何とかなるかもしれませんが。
>
>私法上の財産権と公序良俗との兼ね合いになりますが、必ずしも財産権を
>優先させる必要が無いことはご存知だと思います。

確かにその通りですね。ただ、薬物と違ってわいせつ物などでは結構時代に
よって公序良俗の基準が変わっていたりするのも確かですが。

-- 
池田 尚隆(Yoshitaka Ikeda) mailto:ikeda@4bn.ne.jp
Re: 所有を禁じる法律
#155
Author: ayumu oshimi
Date: Thu, 24 Oct 2002 04:49
16 lines
1585 bytes
池田 尚隆 (Yoshitaka Ikeda) <ikeda@4bn.ne.jp> writes:

> 確かにその通りですね。ただ、薬物と違ってわいせつ物などでは結構時代に
> よって公序良俗の基準が変わっていたりするのも確かですが。

薬物だってころころ変ってる様な気が。
#まぁ、「公序良俗」とはちょっと違うか。

エロ漫画家が逮捕・処罰されちゃいましたね。
同人誌なんかは別として、今回の件だと漫画家は
直接、頒布に関わってないですし、刑法175条の
適用の対象とするのは無理があるよなぁ。


-- 
ayu
Re: 所有を禁じる法律
#162
Author: SUZUKI Wataru
Date: Fri, 08 Nov 2002 14:52
128 lines
7256 bytes
At 24 Oct 2002 13:49:49 +0900,
in the message, <ap7u5d$qt4$1@nh1.u-aizu.ac.jp>,
ayumu oshimi <m5041105@u-aizu.ac.jp> wrote
>池田 尚隆 (Yoshitaka Ikeda) <ikeda@4bn.ne.jp> writes:
>
>> 確かにその通りですね。ただ、薬物と違ってわいせつ物などでは結構時代に
>> よって公序良俗の基準が変わっていたりするのも確かですが。
>
>薬物だってころころ変ってる様な気が。
>#まぁ、「公序良俗」とはちょっと違うか。

# そもそも刑法上の猥褻物に該当するかどうかは、「公序良俗」とは直接関係
 がない。
 猥褻物を頒布する行為は確かに「公序良俗」違反だけど、猥褻物であるかど
 うかの判断自体は「公序良俗」違反というのとは違う。
 というのは、譬え猥褻物であっても自己の為だけに所有しているなら「公序
 良俗」には直ちに反しないから
 (だから単に所有しているだけでは罰しないと。
  言い換えれば、猥褻性があっても公序良俗に反しないから当罰性が無いと
  いうこと。  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
  これはすなわち、猥褻性と公序良俗が直接関係しているわけではない
  ことを意味する。)。
 猥褻性の判断における性的羞恥心を害するとか性的道義観念に反するとかい
 うのが「公序良俗」に反することに繋がるのだけど、あくまでもそういう猥
 褻性が有るが故にそれにまつわる行為が「公序良俗」に反するから犯罪にな
 るとは言えても、猥褻性がある=公序良俗違反ではないし、まして、猥褻性
 がある=犯罪、ではない。
 更に言うと、「公序良俗違反」という表現自体刑法ではしない。
 猥褻物頒布等の罪に関する限り「善良な性風俗」が保護法益であるが、これ
 を害する行為が「公序良俗」に反するとしても、だからと言って「公序良俗
 違反」ということをことさら述べても意味が無い。
 保護法益論として「公序良俗」というのは抽象的すぎるし、具体的に「善良
 な性風俗」と言ってしまえばそれ以上に「公序良俗」を述べる意味が無いと
 いうこと。
 ……ちなみに、猥褻物販売を公序良俗違反とすると当該販売契約は公序良俗
 違反で無効か?という疑問も有る。
 そうすると、そもそも猥褻物の頒布等自体が公序良俗違反とは言えないので
 はないかということにもなる。
 言い換えれば、善良な性風俗を害したからと言って直ちに公序良俗違反とは
 言えず、猥褻物頒布等の罪と公序良俗違反かどうかは法律的には直接どころ
 か全く関係が無いと。
 なお、ここで民事法と刑事法の概念の相対性を持ち出して民事法で言う「公
 序良俗」とは違う「公序良俗」だと言うのであれば、それを述べる意味が無
 いというのは前述の保護法益論で述べたとおり。
 と、fj.sci.lawだからやたら細かい話をしても構うまい……。
 ……fj.soc.lawでも法律論なら同じだけど……。

'法律論としては'「ちょっと」どころか全然違います。

薬物は規制薬物を具体的に指定して行うのでその薬物に該当するかどうかは
「ころころ」どころか変ってすらいません。
規制対象薬物が増えたり(減ったり)するだけ。

猥褻物は「ころころ」かどうかはともかく、時代によって該当するかどうか自
体が変ります。
規制対象は猥褻物だけで増えも減りもしていません。

と、そういうこと。

つまり、猥褻物については、規制対象自体は変っていないがその意味が変ると
いうこと。
法律論的に言えば、評価(あてはめ)が変っているのであって構成要件自体は
増えも減りもしていないということ。
一方、薬物の場合は構成要件自体が増えている(という意味で変っている)。

だから「ちょっと」どころか全然話が違うと
(構成要件理論を理解していれば一発で解ります。
 もし解らないとすれば刑法の入門書を読んで構成要件理論を理解する必要
 があります。
 ……もっとも本当は刑法に限らず要件効果で成り立つ法律一般に共通する話
 ですが。
 要件論と評価の問題は違うというだけのこと。)。


という前提で、元投稿者も書いてますよ。

At Thu, 24 Oct 2002 09:28:23 +0900,
in the message, <ap7el3$1onh$1@news2.bekkoame.ne.jp>,
池田 尚隆 (Yoshitaka Ikeda) <ikeda@4bn.ne.jp> wrote
>ただ、薬物等ではよくある法律ですが、薬物の場合は該当する物質が明記され
>ているわけです。                    ~~~~~~~~~(下
線、すずき註。)

と。
この前提で「薬物と違って」と言っているわけです。

# この点はfj.sci.lawでするような話かいな。

>同人誌なんかは別として、今回の件だと漫画家は
>直接、頒布に関わってないですし、刑法175条の
>適用の対象とするのは無理があるよなぁ。

そもそも本当に175条の正犯なのかそれ自体怪しい気がします。
で、「直接」頒布しなくても幇助の可能性はあります。
頒布を前提に原稿を書いた作家は、幇助には充分なり得ると思います。

ところで厳密なことを言うと「頒布」じゃなくて「販売」でしょうな。
両者の違いは、無償か有償か。
通常出版した書籍を無償で交付しているとは思えないから「販売」の方である
と。
……まあだからといって効果が変る訳じゃないから厳密に区別する意味は大し
て無し。
ということで以下では「頒布等」と表記。

共同正犯になるかどうかは実行行為性で問題になると思います。
出版行為全体が頒布等に当るとして原稿を書くことは出版行為の一部であると
すれば、共同正犯もありでしょう。
一方、原稿を書くことは出版行為の一部でないとするか、あるいは出版行為全
体が頒布等ではなく流通に乗せる行為だけが頒布等であるとすれば原稿書きが
出版行為の一部であるとしても、実行行為の一部を担っていない以上共同正犯
にはなりません
(ちなみに出版行為全体を頒布等とすれば印刷製本で既に未遂になる。
 そうでないとすると予備にしかならない……。)。
ということで頒布等とは何かあるいは原稿を書くという行為の評価が問題。

この点判例がどう扱っているかは、判決理由に書いてあるんじゃないかと思い
ます
(もっとも、争点になっていれば、ですが。
 たぶん出版行為全体を頒布等とはしないんじゃないかって気がするんで争点
 になっていない可能性が高いと思います。
 つまり175条だとすれば正犯じゃなくて幇助じゃないかと思ってい
 る……。)。

# いずれ、判決をきちんと検討しないで論評するのは「無理があるよなぁ」

-- 
SUZUKI Wataru
mailto:omegafactor@anet.ne.jp
Re: 所有を禁じる法律
#163
Author: SUZUKI Wataru
Date: Fri, 08 Nov 2002 14:52
22 lines
1899 bytes
# 一点補足。

At Wed, 23 Oct 2002 13:56:02 +0000 (UTC),
in the message, <ap69pi$2avp$1@news2.rim.or.jp>,
sen_nin@st.rim.or.jp (Sen''nin Iio) wrote
>私法上の財産権と公序良俗との兼ね合いになりますが、必ずしも財産権を
>優先させる必要が無いことはご存知だと思います。

薬物の所持が禁止されるのは「公序良俗違反」ではなくその人自身に対する加
害行為となるからというパターナリズム的視点の方が大きいのではないかと思
います
(無論、それだけではない。)。

なお、社会的接触関係において当該物が問題とならない限り「公序良俗」の問
題は少なくとも法律論としては生じないと思います。

なので、単純に「公序良俗」>「財産権」という視点だけで解決する問題では
ありません。

-- 
SUZUKI Wataru
mailto:omegafactor@anet.ne.jp
Re: 所有を禁じる法律
#164
Author: SUZUKI Wataru
Date: Fri, 08 Nov 2002 14:52
51 lines
3335 bytes
# 細かい話だけど、fj.sci.lawなので。
 まあ、fj.soc.lawでも同じ指摘をしますけど。
 ……と言うか本来こんな指摘は「学問的」議論ではない。

At Wed, 23 Oct 2002 17:04:24 +0900,
in the message, <ap5l06$lbb$1@news2.bekkoame.ne.jp>,
池田 尚隆 (Yoshitaka Ikeda) <ikeda@4bn.ne.jp> wrote
>2.不遡及の原則から、施行されるまでに所持したものを破棄する必要はない。

不遡及が問題になるのは「施行前の所持」に対してであって「施行後の所持」
については遡及の問題ではないです。

遡及処罰の禁止などに言う「遡及」という話は、制限以'前'の「行為・状態な
ど」について「遡って」法律効果を発生させるという話であり、制限以'後'の
「行為・状態」を制限以'後'にどう扱うかは、何ら「遡って」いるわけではな
いので遡及の問題ではないということ
(これは厳密ではありません。
 厳密には後述。)。

なので佐々木<cal@ams.odn.ne.jp>さんも憲法29条の問題は生じないという話
だけで、遡及の問題には触れていないのでしょう(もっとも罰則以外の遡及は
元より憲法上直ちに問題にならないが。)。


……どっかで見た話で、税法を改正して改正前に入手した自動車の自動車税額
を上げるのは遡及だと言っている人がいたんだけど、改正以後の所有に関して
改正以後に発生する税の額が上がるだけで改正以前の所有に関しての税額を
「遡って」上げるわけじゃないから遡及じゃない。
これと同じ。


厳密には、「遡及」というのは狭義には、
 '過去'の行為・状態・事実など(要件事実)に現在の法を「遡って」適用し
 て法律効果を発生させる
 (いわゆる遡及'適用'。
  効果発生時期は現在・過去のいずれでもいい。)。
こと。
広義ならば、
 現在の要件事実に現在の法を適用して'過去'の時点に「遡って」法律効果を
 発生させる(いわゆる遡及'効'。)。
も含む。

現在の要件事実から現在において効果を発生させるだけの場合は、既得権益と
の抵触は格別、遡及の問題とはなりません
(要するに、要件事実ないし効果の一方または両方が過去に遡る場合を「遡
 及」と言うのだと。
 両方現在であれば何も遡っていないから遡及ではないと。)。

-- 
SUZUKI Wataru
mailto:omegafactor@anet.ne.jp
Re: 所有を禁じる法律
#165
Author: SUZUKI Wataru
Date: Fri, 08 Nov 2002 14:52
23 lines
2053 bytes
# ちゃちゃ。

At Wed, 23 Oct 2002 14:40:25 +0000 (UTC),
in the message, <ap6ccp$2bi8$4@news2.rim.or.jp>,
sen_nin@st.rim.or.jp (Sen''nin Iio) wrote
># 芸能人など見せしめっぽい摘発は除きますが

あれは「摘発」が見せしめなんじゃなくて'報道'が見せしめ'的'なだけ
(実際には、「芸能人」などでないと報道しても話題性が無いというだけのこ
 とで結果的に「見せしめ」的になっているだけ。
 ……て言うか、普通の人なら報道されなくたって仕事失っても不思議ではな
 いです。
 芸能人だと謹慎だけだし、もし報道しなかったら謹慎すらろくにしないかも
 知れませんよ。
 そう考えると、「見せしめ」とは言えないでしょうな。)。

薬物犯罪の摘発は交通違反なんかと違って厳しいですよ。
認知しながら摘発しないことは(裏取引と不正以外では)まず無いと思って
可。

-- 
SUZUKI Wataru
mailto:omegafactor@anet.ne.jp
Re: 所有を禁じる法律
#103
Author: SUZUKI Wataru
Date: Tue, 26 Nov 2002 15:37
15 lines
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# 訂正。

At Fri, 08 Nov 2002 23:52:25 +0900,
in the message, <3dcbce58.2269%omegafactor@anet.ne.jp>,
SUZUKI Wataru <omegafactor@anet.ne.jp> wrote
| つまり175条だとすれば正犯じゃなくて幇助じゃないかと思ってい
| る……。)。

共謀共同正犯の線を忘れていたので上記発言は撤回します。

# しばらく刑法を離れていたのがばればれだ。(^^;

-- 
SUZUKI Wataru
mailto:omegafactor@anet.ne.jp
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